294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:35:46.11 ID:yzqzj6l/O マリオが眠ったそんな頃、町外れのクッパ城では。 ピーチは一晩悩んで決意していた。今日こそは己の内を打ち明けなければならない。 ピーチ「ねぇ貴方?」 クッパ「なんだ。」 ピーチ「あたしたち、別れましょ。」 クッパ「!?笑わせるな。何処に行く当てがあるというのだ。」 ピーチ「貴方が居なければ何処でもいいわ。     あたしたち終わりよ。お金なら全部置いとくから、もうほっといて。」 バチン! ピーチ「きゃあああ!」 案の定クッパは渾身の力でピーチをひっぱたいた。 しかしピーチの屈強な目はクッパの目を睨んでいた。 295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:38:40.29 ID:yzqzj6l/O クッパ「なんだその目は。」 ピーチ「付き合ってた最初の頃の貴方は優しかった。     でも最近の貴方ときたら、酒を飲んでは殴って、     人を性欲のはけ口にして…もううんざりよ!!!」 クッパ「ギャオオオス!」バチン! ピーチ「…。」 ピーチは叫ばなかった。ただクッパの目を睨んでいた。 彼女は気絶する程の痛みを必至で堪えていたのだ。 彼女の頬は赤く腫れ痣ができた。 今の彼女にあの頃のクッパはもう見えていない。 見えているのは目の前にいる醜悪な姿をした悪魔だ。 298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 19:48:03.23 ID:yzqzj6l/O ピーチ「さよなら!」 ピーチは走り出した。振り向かずそして思い残す事無く走った。 自由への逃亡だ。長年の呪縛を解き放ち、新しい世界へ今帰るのだ。 彼女の目は戦士の目だった、遠い空を映しては輝いていた。 いくつもの柵をかいくぐり、絡み付く鎖は引きちぎった。 檻の中の小鳥はやがて大きな翼を広げ、空へと巣立ったのだ。 あの頃見たのと同じ色の空。写真と同じ夢の色。 淡くて切ない冬の香りがする。 長いブロンドの髪を棚引かせ、ピーチは城を後にした。 307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:06:30.46 ID:yzqzj6l/O クッパは動けなかった。 いくら怒り高ぶっていたとはいえ、目の前に映る光景があまりに眩しく、美しかったからだ。 少しだけ、付き合って間もない日を思い返してみるとふと大切な事を思い出した。 しかし失ってからではあまりに遅かった。 308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:07:27.28 ID:yzqzj6l/O 彼はクッパ城で一人残された。 いるのはノコノコが五匹、クリボーが二匹くらいだ。 クッパ城は『マリオワールド』等の様々な舞台として使われたアミューズメントパークだ。 最近はすっかり客も減り、土地の税を彼から吸い上げる物でしかなくなった。 悪役スターとしての出番も徐々に少なくなり、ストレスは日に日に溜まっていった。 彼がピーチに乱暴を始めたのはその頃からだ。 その行為は次第にエスカレートしていき今に至った。 311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:16:02.92 ID:yzqzj6l/O クッパ「はぁ…分かってたつもりなんだけどよ。」 クッパは昔のアルバムを見ていた。 ビーチで肩を並べる二人。気球で空を飛ぶ二人。キスする二人。 俺様がどうかしてたぜ。今更正気に戻って後悔しても帰って来ない。 クッパは声にならない叫びを上げた。 そしてトボトボと部屋に帰って行った。 それを影からスタッフのクリボーが なんとも言えぬ表情で見ていたことは後になって知る事になる。 317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:40:49.59 ID:yzqzj6l/O ―このおっさんキメェwww― ―くせぇwww死ねよwww― ―いくぜピーチ― ―さよなら!マ ラ オさん!― ぅああああああああ! マリオ「フォウ!」 マリオは飛び起きた。 またあの夢を見た…あの日以来毎日見ている。 こういうのを悪夢というのか。いや、悪いのは自分か。はは。 小さく笑い作業用のツナギを着て町の配管工屋へ向かった。 マリオ「行ってくるよヨッシー。」 よし、今日は頑張るぞ。そんな気持ちでいっぱいだった。 325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 20:58:11.11 ID:yzqzj6l/O マリオ「ちわっす。」 キノ五郎「おお、来たか。んじゃ今日は第4パイプラインの点検からだ。」 マリオ「ういっす。」 長い事勤めている甲斐あってか、今日も作業は順調だ。 手際良く点検をこなした。 キノ五郎「よし、次は詰まったパイプの掃除。」 マリオ「ういっす。」 キノ五郎「えんやさー!」 マリオ「そいやさー!」 ここは暗くて臭い。しかし俺達にとっては町で一番明るい場所なのだ。 328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 21:07:39.62 ID:yzqzj6l/O えんやえんやそいやそいやそいや! マリオ・キノ五郎「マンミーヤさー!」 すると詰まっていた配管からヘドロが流れ始めた。 やったぜと言わんばかりに二人は腕組みをした。 しばらく達成感を味わってはまた次のパイプを目指した。 単調な作業だが、本当に楽しかったのだ。 331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 21:13:50.58 ID:yzqzj6l/O キノ五郎「よっしゃ終り。そろそろ上がるぞ。」 マリオ「ういっす。」 バリケードを張ったマンホールから泥まみれになった二人が出て来た。 キノ五郎「今日は一緒に風呂行くか!」 マリオ「いいんすか!ありがとうございます!ルロホホオオウ!」 二人は全速Bダッシュで近くの銭湯へ向かった。 マリオ「あれ…路地裏でキノコ達が喧嘩してる…」 キノ五郎「お前を殴ったのはあいつらか!畜生!許せねぇ!」 キノ五郎は腕をブンブン回して言った。 マリオ「まぁまぁ今は風呂っすよ。行きましょう。」 この町ではああいう奴等には近寄らないのが鉄則だとつい最近体で学んだばかりだ。 しかし何か不安だった。あれは確かにどこかで見たことあるキノコだった。 白い頭に赤いはん点。 とにかく今は風呂だ。俺達は先を急いだ。 353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:14:49.60 ID:yzqzj6l/O キノピオ「うぐっ!」 DQNキノコ1「おいおいキノピオさんよお!俺達の薬を何処へやったのかな!ええっ!」 バクシ! キノピオ「…ぐ!」 ガサガサ DQNキノコ3「おい!あったぜ!こいつ俺達の薬を勝手に使ってやがる!」 キノピオ「返せ…」 DQNキノコ2「はぁん!?俺達の物だろが!」 キノピオ「はぁはぁ…!かえせえええええ!!!!」 バグシ! DQNキノコ3「痛っっ!!!」 DQNキノコ1「おい!逃げたぞ!」 振り向いた頃にはキノピオは居なくなっていた。 この瞬間から彼等に軋轢が生じていたのであった。 DQNキノコ1「あのカビキノコ野郎!今度会ったら俺等のダチ全員で潰す!!!」 355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:18:14.45 ID:yzqzj6l/O キノピオ「はぁ…はぁ…ヒャハハハハwww       これだよこれ、このマッシュルームが欲しかったんだwww」 キノピオ「モグモグ…ヒィヤァアアアアアwwwwww       テンション最高www気分は上々ぅうう!!wwwwヒャッハッハァアアアッ!」 少年は悪魔のキノコを食い散らした。 不敵に笑う姿を月が映し、その影はただならぬ程に黒く長く伸びていた。 これは俗に言う予兆というものだろうか。 キノピオ「ラリホォ〜www」 いたって快哉な快楽の声が夜空の暗闇にこだましていた。 361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:33:43.08 ID:yzqzj6l/O マリオ「フォウ…フォウ…やっと着いた。」 キノ五郎「あぁ…全力Bダッシュはさすがに疲れたぜ。」 ガラガラ 二人は汗をダラダラ流しながら更衣室に入った。 扇風機や体重計、ドリンクボックスやテレビはフル装備だ。 その時キノ五郎の目に、あるニュースが止まった。 キノ五郎「お、臨時ニュースだぞマリオ。」 マリオ「フォウ?」 キノ五郎「…!!!」 キノ五郎の瞳孔が開いた。 367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:42:34.81 ID:yzqzj6l/O TV「昨夜21:00頃、ルイージコーポレーションのゲーム産業シェア拡大計画が    キノコ王国社長会議にて可決されました。    中小企業を極限まで削減し、大企業の割合を増やすのも目的の一つだそうです。」 キノ五郎「中小企業の削減…。マリオ…こりゃヤベェぞ。」 キノ五郎さんの体が震えている。 どうにかこの不安を救わなくては。俺が力にならなくては。 マリオ「ははは、大丈夫っすよ!     配管工って縁の下の力持ちだから破綻されたら国も困るはずです。     だから大丈夫っすよ。」 俺はなんとかその場を取り繕うと努めた。 キノ五郎「おめぇには言ってなかったがな、ウチの町にはもう一つ大企業の       配管工屋『有権会社ベローム配管工』ってのがあんだよ。       生き残るのは恐らくあそこだ…。       あそこにかかりゃウチなんてすぐに潰されちまう。」 こんな弱気なキノ五郎さんは始めて見る。不覚にも俺まで不安になってきた。 369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:45:10.69 ID:xctNx8Ld0 ベロームってスーパーマリオRPGの敵キャラだっけ? 371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:46:17.19 ID:6DbdvvdJ0 >>369 どこまでマリオを研究してるんだwwwwww 372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:46:18.24 ID:F3NQrhLLO ベロームwww あの偽物作る奴だっけ? 373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:48:15.60 ID:xctNx8Ld0 >>372 二回出たよな最初の方の下水道とベローム神殿で 377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:54:43.13 ID:F3NQrhLLO >>373 ベローム神殿ってあったなwww 370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:46:17.16 ID:TnXq3k9DO 展開がフォレストガンプwwwwwwwwwwwww 376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 22:52:30.40 ID:yzqzj6l/O マリオ「大丈夫っす…俺がいるっす。」 キノ五郎「マリオ…」 マリオ「もし取り立て屋が事務所に来たら俺が体張って追い返します。     今朝約束したばっかしじゃないっすか。     そのかわりコーヒーの借りはそれでチャラにしてくださいね。」 そう言うとマリオは笑って見せた。 キノ五郎さんにとって配管工屋は唯一の居場所なのだから。誇りなのだから。 キノ五郎「おまえってやつは…マリオ、悪かった。       俺が弱気じゃいけねぇな。会社は俺も全力で守るさ。」 コーヒーの借りか…。はは、いかにもあいつらしいな。 本当に良い後輩を持ったものだ。 キノ五郎「よっしゃ!風呂入るか!」 マリオ「ういっす!」 378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:00:25.31 ID:yzqzj6l/O マリオ「〜♪」 軽快に口笛を吹いて所々ヘドロのついた体を洗っていた。 キノ五郎「…。」 キノ五郎さんは黙って体を洗っている。やはり不安なのだろう。 隣りの鏡に映ったキノ五郎さんの目が泳いでいる。 何とかして話題を作らなければ。 マリオ「キノ五郎さんこんないい銭湯知ってるんなら早く紹介してくださいよぉ。」 キノ五郎「あっ…わりぃわりぃ。       こんくらい親密になってから来たかったんだ。ひと味違うと思ってな。」 マリオ「またまたそんなに気を使ってくれてえ///嬉しいっす。」 何から何まで準備のいい人だ。尊敬できる部分が多すぎる。 383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:10:07.55 ID:yzqzj6l/O 政策の根源が自分の弟だなんて、言える筈は無かった。 言ったらどうなるかは予想がつく。とにかく今の関係に傷は入れたくない。 もっともそんな話は信用してくれないだろうが。 マリオ「サウナ…いっちゃいます!?」 キノ五郎「おお!我慢大会の始まりだ!」 二人はサウナルームへ入った。 マリオ「負けませんよ。ニコ。」 キノ五郎「お手柔らかに。ニコ。」 こうして二人の冷戦…否、熱戦は始まった。 上司と部下の戦いの火蓋は切って落とされた。 384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:11:39.50 ID:Lp2qyYGqO 我慢大会の始まりだ!wwwwwwwwwwww 388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:21:19.18 ID:yzqzj6l/O ピーチ「寒いわ…ガクガク。」 城を出て来たのはいいけどこんな夜になっちゃった。 開いてる店もあんましないし…。どうしようかしら。 途方に暮れても仕方ないわ。探さなきゃ。 そうこうしながら歩いていると町のはずれに小さな一軒家を見つけた。 優しい色の灯が付いているし、なんとなく怖い人はいない気がした。 やがてそれは確信に近づいた。 コンコン ピーチ「誰か居ますか?」 392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:24:40.25 ID:yzqzj6l/O ?「おやおやこんな時間に誰かの?」 ピーチ「すみません…。すっかり迷子になっちゃって…。」 ?「それは災難でしたな…。ま、上がりなさい。」 その老人の亀は潔くあたしを向かえてくれた。 ?「まぁ立って居ないで、座りなさい。コーヒーは飲めるかい?」 ピーチ「はい。大丈夫です。」 こんな見ず知らずのあたしにコーヒーまでご馳走してくれるなんて…。 ピーチ「貴方名前は?」 ?「すまんすまん、つい言うのを忘れておった。   ワシの名前は神宮司ノコ舞龍。まぁややっこしい名前じゃからノコ爺で良いぞ。」 暖炉の前の机でゆっくりとコーヒーを混ぜながら答えてくれた。 397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:32:46.18 ID:yzqzj6l/O ピーチ「ノコ爺さんはここでなにしてるの?」 ノコ爺「医者じゃよ。孤児のキノコ達の世話もしておるから寂しい暮らしでは無い。」 ピーチ「お医者さんでしたか。孤児といいますと?」 ノコ爺「最近は子供を野に捨てる酷いキノコ達が増えてな。     変わりにワシが世話をしているわけじゃ。」 優しそうな人だわ。 人の良さは顔に出るものね。ふふ。 ノコ爺「なぁにを笑っておる。コーヒーが冷えるぞ。」 ピーチ「す、すみません、ゴクゴク。」 少し慌てて飲んだ為か舌を火傷した。 ピーチ「あっつ…!」 ノコ爺「これこれ、あまり大きな声を出すでない。     二階にいる子供達が起きてしまうではないか。」 ハッとしたあたしはハンカチで口を吹いて一度深呼吸した。 399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:45:41.19 ID:yzqzj6l/O 改めて家を見回してみるとシックな作りの家具に暖炉、 単純なストライプのテーブルクロス、何とも趣深い部屋だ。 柔らかい暖炉の火に照らされるノコ爺さんの顔はとてもにこやかなな表情をしていた。 壁に綺麗な女性キノコの写真が掛けてある。 ピーチ「この人は?」 ノコ爺「あぁ、そやつか…ウチの患者だった女じゃ。     三年前の夏に亡くなったのじゃが、     彼女の夫の献身的な努力に魅入ってしもおてなぁ。     あやつの愛情は吝かな物では無かった。     生きていたせめてもの証として、彼女の写真を飾ってあるんじゃよ。」 ピーチ「美しい人ですね。」 その女性の写真は今まで見たどんなキノコよりも美しく気品に溢れていた。 402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:47:04.53 ID:ZaSgN8qBO 患者だったキノコ…? もしや… 404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:51:24.66 ID:xctNx8Ld0 配管工キノコさんの妻か 408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:06:22.71 ID:DsejQWOEO ノコ爺「おや?その写真は…?」 それを聞いて下を見たらあたしのバックから写真がはみ出ていた。 ピーチ「これは…御守りみたいな物です。一番大好きだった時代の写真です。      あるゲームで役者をしていた時に撮った物です。」 ノコ爺「あんたゲーム役者じゃったのかつまりキノコ王国出身か?」 ピーチ「良くご存じで。」 ノコ爺「すまんのお、ワシはゲームとかいうもんにはどおしても馴染めんでな。     元々あの町の中でいたが次第に時代に着いて行けなくなり今ここに住んでおる。」 歳を取るのはこういう事なのかな。 とつまらない推測をしてみたけど、そんなこと自体には何の意味も無い。 肝心なのはこの歳になっても明るく優しく生きる事だと思った。 ノコ爺「そにしても若いのお…。これはあんたか、相も変わらず美しいのぉ。」 ピーチ「そんなお世辞を…///」 美しいなんて誰かに言われたのいつ以来だろう。正直に嬉しかった。 あたしはつい頬を赤らめてしまい、手で必至に照れ隠しした。 413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:14:39.76 ID:DsejQWOEO ノコ爺「顔が赤いぞよ。やはり若いのお。     しかし見たところそなたはだいぶ傷ついとるようじゃの。     肉体的にも精神的にも磨り減っておる。」 ピーチ「何で分かるの?」 あたしには不思議でならなかった。 ノコ爺「深くは聞かないが、辛いなら話なさい。ワシが少しでも力になろう。」 何でだろう。何でここまで優しくなれるんだろう。 あたしはゆっくりと口を開いた。 ピーチ「…居場所が欲しいの…。昔みたいにみんなで笑いたいの。」 ノコ爺「ならばそなたにとって大切な物はなんじゃ。写真か人か平和か…。」 返事に迷った。どれもしっくり来ない。 ただ…記憶の奥底にある悪夢を超えたそのさらに先にいつも彼がいた。 赤い帽子を被った髭のヒーロー。 416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:23:28.67 ID:DsejQWOEO ピーチ「こ、この人です!」 何であたしマリオを指差してるんだろ。 全部あいつが悪いのに。全部あいつのせいなのに。何で。 ピーチ「でもあたし昔この人に乱暴されちゃって。     それから全く会って無いの。でも指さしちゃったわ…。     あたしには何がなんだか。」 ノコ爺「この男…綺麗な目をしておる。     そなたと同じ目じゃ、サファイアのような美しい瞳。     行きなさい。この男に会うのじゃ。」 あたしは戸惑いを隠せる程大人にはなれなかった。 ピーチ「え、え、あ?え?」 ノコ爺「過去は関係なかろう。そなたが求める未来はそこにある。     信じなさい。キノコの神様は最後まで諦めなかった者に幸せを与える。」 ピーチ「…あたしは…」 混乱していた。今更彼に会ってもどんな顔すればいんだろうか。 それにまだ取り払えない恐怖もある。 今さら歯牙に掛けた所で何があるかなんて解りはしないだろう。 425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:35:38.08 ID:DsejQWOEO ノコ爺「今日はもう遅い。二階で留まっていきなさい。     案ずることはない、答えは探さなくてもよい。     時が来れば向こうからやって来てくれる。」 ノコ爺さんには全てを見透かされている気がする。 彼は常にあたしの心の奥底を照らしている。 ピーチ「お言葉に甘えて今日は宿をお借りします。本当にありがとうございます。」 ピーチは深々と礼をした。 ノコ爺「部屋は二階へ昇ってすぐにある。くれぐれも子供達を起こさんよおにな。」 ピーチ「はい、何から何までありがとうございます。」 また一礼して、二階へ向かった。 ノコ爺(悩みなさい。その葛藤が人を強くする。     そしていつかその積み重ねが世界に愛と花束をもたらすことだろう。) 430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:43:05.60 ID:DsejQWOEO 部屋に入ると4人の小さな子供達が部屋で寝ていた。 頭をかじられている男の子キノコ。傷だらけの女の子キノコ。 何とも痛々しかった。彼は本当の孤独と闘ったいるのだろうか。 哀れみは人を傷付ける。これ以上考えるのはよそう。 明日は久し振りにマリオの家を訪ねよう、不安はある…でもノコ爺さんの言葉は信じたい。 部屋の隅にもたれる形になってあたしは眠りについた。 暖炉のパチパチという音だけがこの家に響いていた。 438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:49:34.99 ID:DsejQWOEO 今日はこの辺で寝ます。 あれですよ。最初はエロが書きたいからってスレ立たわけだ。 その直後にアメージングレイス聞いてしまったわけだこれが。 気がついたらこんなことになっていた。 書き溜めて無いから投稿も遅いし、再投稿はいつも夜から、さらにすぐに眠くなるからたちが悪い。 こんな私ですが今後もスレが続く限り頑張ります。 今日はありがとうございます。 みなさんが幸せになりますよおに。乾杯。 444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:51:35.54 ID:5qSYTC7HO >>438 乙 待ってるからな 439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:50:28.02 ID:MYFbw4nO0 >>438                            ,,,,,,_                      ,,,,,iiiilllllllllllllliii,,,,           ,,,,,_   .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶           ゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙            ゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜               ゙!lllllll!!l゙゙’   .,,illlllllllllllllll!!゙゜              ^     .,,illllllll 山                   ,,illlllll  iiiiiiiiiiiir                  ,,illllllllヽoOOO''o_-                   ,,illlllllll( <:::::::乙::::::::>ヽ                  ,,illllllllll!/  ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ                 ,,illllllllll!゙ ,< )ヽ,━━./ ( /   liiii,,              ,,illllllll!゙゜ ,lヽ i /::::::::::::::ヽ i .r     'llllllli,,             ,,illllllll!゙     !!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| !!,     lllllllllli,,            ,illlllllll゙      |::::::::∧::::::::|    ,lllllllllllllii,            llllllllllli,_     .|::::::::| |::::::::| ,,,,illlllllllllllllllli,    こ、これは>>1乙じゃなくて            !llllllllllllllliiiiiiiiiiiiii,,,|::::::::|  |::::::::|llllllllllllllllllllllllllll 瞬獄殺なんだから             ゙゙!!llllllllllllllllllllllllll|::::::::|.  |::::::::|lllllllllllllllllllllllll  変な勘違いしないでよね!               ゙゙゙゙!!!!!!llllll_ ノ;;;;;;;;r.  |::::::::レ_lll!!!!!!!l゙゙゙゜                    'ーー"   "ーー' 504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 08:50:10.85 ID:8rffL3Jc0 新たな展開に感動した 文才ってあると楽しそうだwwwww